「自分は足が遅いから…」「身長が低いから…」と、バスケットボールをあきらめかけていませんか?
実は私も、小学生の頃は運動会でいつも最後尾。決して運動が得意なタイプではありませんでした。
そんな私が日本代表のユニフォームを着るまで成長できたのは、“チェンジオブペース”という特別なスキルを身につけたからです。
この記事では、私がミニバスの現場で子どもたちを指導する中で目の当たりにした「想像を超える成長」や「子どもたちの変化」のエピソードを交えながら、チェンジオブペースの本当の価値や面白さをわかりやすくお伝えします。
バスケがもっと楽しくなるヒントを、ぜひ一緒に見つけていきましょう!
チェンジオブペースとは?
チェンジオブペースとは、スピードに緩急をつけて相手を翻弄するバスケットボールのテクニックです。
私がこの技の威力を初めて実感したのは、小学5年生の時のある試合でした。背の高い相手に囲まれて全く突破できず、悔しい思いをしていたとき、コーチが「思いきって急に止まってみよう」とアドバイスをくれました。
半信半疑のまま試してみると、ディフェンスが動きを止めて戸惑い、その一瞬の隙を突いてゴールへ切り込むことができました。ディフェンスは「次に何をするかわからない」と一瞬でも思ったとき、反応が遅れてしまうからです。この体験を通じて、「バスケットは工夫次第でどんな選手でも主役になれるんだ」と気づくことができました。
バスケットボールは「速い=強い」ではありません。「急に止まる」「ゆっくりから一気に加速する」「逆にストンと減速する」――この“リズムの魔法”が、ディフェンスの予測を裏切り、どんな相手にも通用する武器になるのです。
なぜチェンジオブペースが“小学生バスケ”で最強なのか?
私が指導しているミニバスチームでは、身長が130cm台の小柄な選手が、170cmを超える大きな相手ディフェンスを見事にかわす場面を何度も目にしてきました。特に印象的だったのは、昨年の大会での出来事です。普段はおとなしく控えめな4年生の男の子が、チェンジオブペースを駆使して、相手チームのエースディフェンダーを鮮やかに抜き去りました。
その瞬間、彼の表情が一気に自信に満ちあふれ、「自分にもできるんだ!」と実感した様子が伝わってきました。それ以降、彼は試合ごとに積極的なプレーを見せるようになり、チーム全体の雰囲気もさらに明るくなったのです。
このように、チェンジオブペースは体格やスピードに左右されず、どんな子どもでも試合の流れを変える力を持っています。
【実践編】チェンジオブペースの“超リアル”なやり方
【現場からのリアル体験談】
ある日の練習で、5年生の女の子が「どうしても相手を抜けない」と悩んでいました。私は彼女に「まずは相手の目線をしっかり観察して、相手が油断した瞬間、思いきって動きをゆっくりにしてみよう」とアドバイスしました。
最初は動きがぎこちなかったものの、何度もチャレンジするうちに、彼女は相手ディフェンスの重心がふっと上がった瞬間を見逃さず、一気にスピードを上げて突破!「やった、できた!」と、コートいっぱいに広がる笑顔を見せてくれました。
この経験からも、チェンジオブペースのポイントは
- 相手の目や体の動きをよく観察すること
- ゆっくり動く時は、全身で“演技”するつもりでリズムを変えること
- 加速するときは、ドリブルの音やステップも一気に切り替えることだと実感しています。
普通のスピードでドリブルしながら“相手の目”を見る
まずは、いつものスピードでドリブル。
この時、ただ前を見ているのではなく、ディフェンスの「目」をしっかり観察します。ディフェンスが油断している瞬間や、気を抜いた瞬間を見逃さないことが大切です。
「今だ!」と思ったら、体全体の動きをゆっくりにする
相手が油断したり、重心が上がったりしたら、顔も肩もドリブルも全部ゆっくりに。
「休んでる?」と思わせるくらい、リズムを落とします。ここで大切なのは、体全体で“ゆっくり”を演じること。ディフェンスに「次の動きが読めない」と思わせたら勝ちです。
相手の重心が緩んだ瞬間、一歩で爆発的に加速!
「今だ!」と思ったら、一歩で爆発的に加速します。
この時、ドリブルの音も一気に大きくして、リズムを変えるのがポイント。まるで音楽の“サビ”のように、静から動への切り替えを意識しましょう。
抜き去った後も“次の緩急”を意識する
ゴール下やパスをもらった後も、ストップ&加速の緩急を使えば、さらにチャンスが広がります。
「抜いたら終わり」ではなく、「抜いた後もリズムを変える」ことで、ディフェンスを完全に置き去りにできます。
【練習法】遊び感覚で身につく「チェンジオブペース」
【実際の練習例】
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ドリブル鬼ごっこ:
コートの端から端まで、鬼役が追いかける中で「急に止まる」「素早く加速する」を繰り返す練習です。6年生の男の子も、最初はすぐに捕まっていましたが、「止まる→一瞬静止→ダッシュ」を何度も繰り返すうちに、鬼役を巧みにかわすことができるようになりました。こうした遊び感覚の中で、自然とペースの変化のコツが身につきます。 -
1on1練習:
「好きなタイミングで1回だけ急加速OK」というルールを設け、どこで仕掛けるかを自分で考えながらプレーします。子どもたちは「ここだ!」という瞬間を自分で判断して動く力を養い、実戦でも使える判断力とチェンジオブペースの感覚を高めています。
【体験談】“チェンジオブペース”が子どもたちの未来を変えた瞬間
小さなエースの大逆転劇
私がこれまで指導してきた中で、特に心に残っているのは、身長が小さく自信を失いかけていた4年生の女の子のことです。彼女はドリブルもシュートも上手。でも、大きな相手にすぐ止められて、試合中に涙ぐむこともありました。彼女は「どうせ私なんて…」と練習中も下を向いてばかりで、なかなか積極的になれませんでした。
しかし、チェンジオブペースの練習を何度も繰り返すうちに、ある試合で思い切って“ゆっくり→急加速”の動きを実践。相手ディフェンスを鮮やかに抜き去り、ゴールを決めた瞬間、彼女の表情がパッと明るくなりました。「私でもできる!」という自信が芽生え、次の試合からは自分からボールを呼び込んだり、積極的にプレーする姿が見られるようになったのです。
この前向きな変化は、彼女だけでなくチームメイトにも良い影響を与え、チーム全体がさらに明るく、一体感のある雰囲気になっていきました
負けん気少年の“逆転ストーリー”
私の教え子に、誰よりも負けず嫌いな少年がいました。新しい仲間が次々と上達し、自分が追い抜かれるたびに、彼は悔しさをこらえていました。ある日、彼は「どうしても勝てない」と涙を浮かべて弱音を吐きました。
私は「君には“チェンジオブペース”という武器がある。これを極めれば、どんな相手にも勝てる」と伝えました。それから彼は、練習でリズムの変化に徹底的にこだわり、何度も「ゆっくり→急加速」の動きを繰り返しました。ノートに気づきや目標を書き、時には自分の動きを動画で確認しながら工夫を重ねていきました。
やがて迎えた公式戦。スピード自慢の強豪相手に、彼は自分のリズムで勝負。ディフェンスが油断した瞬間、一気に加速して抜き去り、ゴールを決めました。その瞬間、ベンチも観客も大歓声。彼は自信に満ちた表情でコートを駆け抜けていました。
この経験をきっかけに、彼は「自分だけの強み」を信じて堂々とプレーできるようになり、チームのエースとして仲間を引っ張る存在に成長しました。悔しさを努力に変え、自分の武器を信じ抜くことが、どれほど大きな自信と成長につながるか――この体験は、それを彼に教えてくれたのだと思います。
チェンジオブペースで身につく“バスケ以外の力”
チェンジオブペースを通じて身につくのは、単なる観察力や判断力だけではありません。私の教え子の一人は、「授業中も“今は集中する、今は少しリラックスする”と自分でメリハリをつけられるようになった」と話してくれました。
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観察力:相手の動きや表情を読む力がつく
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判断力:「今だ!」という瞬間を見極める決断力
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自信:自分で考え、工夫して成功する喜び
これらは学校生活や他のスポーツ、将来のどんな場面でも役立つ“人生の武器”です。バスケットボールで培った“緩急“の感覚は、日常生活や勉強、友達とのコミュニケーションにも活かせる“生きる力“として成長していきます。
保護者・指導者の方へ:失敗こそ“成長の種”
子どもたちが新しい技に挑戦する時、最初からうまくいくことはほとんどありません。できた時は思いっきり褒めて、うまくいかない時も「次はどうしたらいいかな?」と一緒に考えてあげてください。
私も指導の現場で「失敗しても大丈夫。チャレンジしたこと自体が成長なんだよ」と、いつも声をかけています。実際に、何度も失敗を繰り返しながら工夫し、ついにできるようになった瞬間の子どもたちの笑顔は、指導者として何よりの宝物です。
ご家庭でも「歩く→急に止まる」といったリズム変化の遊びを取り入れることで、楽しみながらチャレンジ精神や自信を育むことができます。こうした小さな積み重ねが、やがて大きな自信や成長につながっていきます。
よくある質問Q&A
Q. 足が遅い子でもチェンジオブペースは有効ですか?
A. はい、むしろ足が速くない子ほど効果があります。緩急をつけることで、速い相手にも勝てるチャンスが生まれます。
Q. どのくらいで身につきますか?
A. 個人差はありますが、毎日5分でも意識して練習すれば、1ヶ月ほどで効果が実感できる子が多いです。
Q. 家でもできる練習はありますか?
A. 狭いスペースでも「歩く→急に走る」「その場でドリブル→急加速」など、緩急を意識した動きならどこでも練習できます。
まとめ:チェンジオブペースで“君だけのバスケ”を楽しもう!
チェンジオブペースは、誰でも身につけることができる“成長のきっかけ”となる技術です。背が低くても、足が遅くても、体が小さくても――「自分のリズム」で相手を抜く楽しさを、ぜひ体験してください。バスケットボールは、勝ち負けだけじゃない。「できた!」の喜びや、仲間との絆を感じられる最高のスポーツです。
私自身も、指導してきた多くの子どもたちも、このテクニックを通じて自信を持ち、バスケットボールをより楽しめるようになりました。「自分にしかできないプレー」を見つけて、バスケの楽しさや可能性をどんどん広げていきましょう!
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