この記事では、元女子プロバスケットボール選手としての経験と指導エピソードを交えながら、小学生向けにリバウンドの基本やコツ、練習方法を詳しく解説します。
リバウンドの重要性
リバウンドは、外れたシュートをキャッチするプレーのこと。リバウンドを制するものは試合を制すと言われるほど、試合の流れを大きく左右する超重要プレーです。たくさんリバウンドを取ると、得点チャンスが増え、試合を有利に進めることができます。
リバウンドの基本知識
- オフェンスリバウンド:シュートチャンスを再獲得
- ディフェンスリバウンド:相手の攻撃を阻止し、自チームの攻撃に移行
- 小学生の成長効果:成功体験で自信が向上し、他のプレーにも積極的になる
小学生低学年の子供たちは最初「リバウンドって何?」という状態からスタートします。しかし、練習を重ねて試合でリバウンドを成功させると、自信がつき他のプレーにも積極的になる姿が見られます。この成長を見るたびに、リバウンドの重要性を改めて実感します。
リバウンドの基本テクニック
1. ポジショニング(位置取り)
– シュートが放たれた瞬間、リングとボールの軌道を観察
– ゴールに近い位置を確保
– 指導ポイント:「ボールを見る」という意識づけで動きが変わる
2. ボックスアウト- 相手選手がゴール下に侵入しないよう、自分の背中で相手をブロック
– 膝を軽く曲げて腰を落とし、安定した姿勢で相手と接触
– 別名:スクリーンアウト
3. ジャンプのタイミング
– ボールが最高点から落ちてくる瞬間にジャンプ
– 自分の頂点でキャッチすることが理想的
– 練習法:リング下でのシュート練習を繰り返す
実践!リバウンド練習メニュー
1人でできる練習 | みんなでできる練習 |
---|---|
– 壁打ちリバウンド – ジャンプ&タッチ |
– ボックスアウト – シュート&リバウンド合戦 – ペア練習 – リバウンドからの速攻 – リングジャンプ – ミニゲーム形式の練習 |
1人でできる練習
- 壁打ちリバウンド: 壁に向かってシュート!跳ね返ってきたボールをタイミングよくキャッチ!反射神経とジャンプ力が鍛えられます。ボールの勢いを予測し、ドンピシャのタイミングでジャンプ!
- ジャンプ&タッチ: 目標(壁の的やフープなど)に向かってジャンプ!そして空中でボールにタッチ!高くジャンプするだけでなく、空中でバランスを保つことも大切!
みんなでできる練習
- ボックスアウト: 相手に体を当てて、リバウンドを取りやすい場所を確保!相手の動きをよく見て、ピッタリ体を密着させることがポイント!
- シュート&リバウンド合戦: シュートを打ち、跳ね返ってきたボールを奪い合う!競争心を燃やして、積極的にリバウンドを狙うこと!
- ペア練習: 2人1組で行う練習です。一人がシュートを打ち、もう一人がリバウンド役になります。シュート後すぐにポジショニングし、ボールをキャッチしてシュートにつなげます。
- リバウンドからの速攻: リバウンドを取ったら、素早く味方にパス!スピーディーな判断と正確なパスが重要なポイント!
- リングジャンプ: ゴールリングやネットに向かってジャンプしながらタッチする練習です。ジャンプ力とタイミング感覚が養われます。
- ミニゲーム形式の練習: 例えば、「5回連続でリバウンドを成功させたら勝ち」というゲーム形式で練習すると、小学生でも楽しみながら技術向上につながります。
小学生に楽しくリバウンドを教えるためのヒント
1. リバウンドの楽しさを伝える:宝探しゲームや戦いに例える
2. 成功体験を積ませる:簡単な目標から始める(例:5回ジャンプして3回ボールに触れる)
3. わかりやすい言葉で説明する:専門用語を避ける
4. 比喩を用いる:「ボールは宝物」「リバウンドは試合の勝敗を決める鍵」
具体的な練習方法
- ゲーム形式の練習:
- リバウンド王ゲーム
- シュート&リバウンド
- チーム対抗リバウンド
- 遊びを取り入れた練習:
- 動物になりきってジャンプ
- ボールキャッチ&リレー
- ステップアップ練習(柔らかいボールから硬いボールへ)
- ジャンプ回数・高さの変更
精神的な成長とチームワーク
リバウンドは単なる技術ではなく、「諦めない心」や「チームへの貢献」を学ぶ場でもあります。試合中、自分より大きな相手選手にも挑戦し続ける姿勢は、大人になってからも役立つ大切な経験となります。また、チーム全員で協力してゴール下を守ることで、自然とチームワークも育まれます。
私自身も現役時代、多くの仲間との連携プレーから学びました。その中には「自分一人では勝てない」という気づきもありました。この考え方は、小学生にもぜひ伝えたい部分です。
体格差という壁:小学生指導での体験談
私自身、現役時代はリバウンドに苦労しました。ポジション取りやタイミング、ボックスアウトなど、様々な技術を試行錯誤しました。その経験から、小学生にリバウンドを教える際には、体格差という大きな壁に直面しました。
小学生の場合、体格差が大きいことは珍しくありません。特に高学年になると、体格が大きい子は大人顔負けのパワーを発揮します。一方、低学年や小柄な子は、どうしてもフィジカル面で不利になりがちです。
私が指導していたチームにも、体格が大きい子がいました。その子は、ゴール下で圧倒的な存在感を放ち、リバウンドを独占していました。しかし、他の子は体格で劣るため、なかなかリバウンドを取ることができませんでした。
ある練習試合でのことです。相手チームに、特に体格が大きい子がいました。その子は、うちのチームのゴール下で自由自在に動き回り、リバウンドを取りまくっていました。うちのチームの子たちは、体格差に圧倒され萎縮してしまい、積極的にリバウンドに行こうとしませんでした。
試合後、子どもたちは悔し涙を流していました。「体が大きかったら、もっとリバウンドを取れたのに」と、自分の体格を呪う子もいました。私は、子どもたちの悔しそうな姿を見て以下の改善策を試みました。
小学生の場合、体格差が大きいことは珍しくありません。体格が大きい子は有利ですが、小柄な子も技術でカバーできます。
改善策:
1. 体格に関わらず、全員にリバウンドのチャンスを与える。
2. ポジション取りやタイミングなど、技術でカバーできる部分を重点的に指導
3. ペア練習やグループ練習で、協力してリバウンドを取る方法を教える
リバウンドで失敗する原因と改善策
原因 | 改善策 |
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タイミングが悪い | シュート音やボールの軌道をよく見て練習を繰り返す |
ジャンプ力が弱い | 縄跳びやスクワットなどのトレーニングを取り入れ強化 |
体勢が悪い | ジャンプ前の姿勢を意識(足を肩幅に開き、バランスをとる) |
ボックスアウトができていない | 相手の動きをよく見て体を密着させる練習を繰り返す |
ボールへの意識が低い | 常にボールに集中しボールの位置を把握 |
もっと上手くなるには?
- 毎日練習:少しの時間でも継続することが大切
- ゲームで練習:楽しみながらリバウンド技術を向上
- 目標設定:具体的な目標を決めてモチベーションを維持
指導のポイント
1. 楽しく!:遊びを取り入れてバスケを楽しむ
2. わかりやすく!:専門用語は使わず、簡単な言葉で説明
3. 安全に!:怪我を防ぐため、準備運動をしっかり行う
4. レベルに合わせる:一人ひとりの能力に応じた練習を提供
まとめ:リバウンドは未来への第一歩
リバウンドは試合の流れを変えるだけでなく、自信や成長につながるプレーです。小学生低学年のお子さんには、楽しみながら基本的な動きを身につけてほしいと思います。大切なのは、楽しくバスケットボールに取り組めるよ
そして何より、「できた!」という達成感こそが次へのステップとなります。練習を重ねれば必ず上達します。将来、大きな舞台で活躍する選手を目指して、今から少しずつ練習を積み重ねていきましょう!
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