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元全日本代表が語る!小学生から始めるバスケ・ポイントガードの本当の魅力と成長ストーリー

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小学生のころ、初めて「ポイントガードをやってみないか」と言われたあの日のことは、今でも心に深く残っています。当時の私は、チームの中で特別背が高いわけでも、目立つプレーができるわけでもありませんでした。でも、仲間の動きや困っている表情にすぐ気づくタイプだったんです。

ある日の練習後、コーチが私の肩に手を置いて言いました。「君は周りがよく見えている。チームを導く役目ができるかもしれない。」その一言が、私のバスケットボール人生を変えるきっかけになりました。

この記事では、当時の私の経験をもとに、ポイントガードの本質的な役割や、はじめてそのポジションに挑戦する子が覚えておくと役立つ考え方や練習法について、実体験を交えてくわしく紹介していきます。

ポイントガードってどんな役割?

バスケットボールには5つのポジションがあり、それぞれに大切な役割があります。その中で「ポイントガード(PG)」は、チームの動きをコントロールする、いわば「司令塔」のような存在です。ボールを運び、味方にパスを出し、チームの攻撃を組み立てる。自分で得点するだけでなく、仲間が活躍できるようにサポートするのがポイントガードの仕事です。

ポイントガードは“チームの頭脳”です!

ポイントガードは、攻撃のはじまりをつくるポジションであり、チームのテンポを決める役割もあります。仲間の動きを見ながら、どのタイミングでパスを出すか、どのプレーを選ぶかを判断する必要があるため、まるで“バスケの指揮者”のようです。

また、ディフェンスでも相手の動きを早く察知し、先回りして動く必要があります。つまり、ポイントガードは頭をよく使い、広い視野でチームをリードするポジションなのです。

なぜポイントガードが大事なの?

試合で私が一番大切にしていたのは、「仲間が力を充分発揮できる状況をつくること」でした。ポイントガードは、ただボールを運ぶだけでなく、味方の動きやタイミングを読み取って、もっとも良い瞬間にパスを出す役割を担っています。

実際に、私が5年生のときの大会で、いつもはあまり目立たなかった控えめなチームメイトが、私からのパスをきっかけに連続得点を決めたことがありました。そのプレーで会場の空気が一変し、チーム全体が勢いづきました。そのとき私は、「自分の判断ひとつで試合の流れを変えられるんだ」と、ポイントガードの責任とやりがいを強く実感しました。

ポイントガードは、試合の流れをつくる存在です。どんなに背が高い選手やシュートが上手な選手がいても、ボールが回らなければ意味がありません。バスケットはチームスポーツ。ボールをどこに、どのタイミングで回すのかを決めるのがポイントガードの役目です。

ポイントガードが冷静にプレーすれば、仲間は安心して動くことができます。逆に、焦ってパスミスをしたり、判断が遅れると、チームのリズムが崩れてしまいます。

だからこそ、ポイントガードには「冷静さ」「判断力」「チームを思う気持ち」がとても大切なんです。

ポイントガードは“チームの頭脳”!

ポイントガードは、コートの上の“リーダー”であり“判断のプロ”です。試合では、攻撃のはじまりに必ず関わり、仲間の動きや相手の守りを見ながら、どのプレーを選ぶのかを一瞬で決めなければなりません。これは、まるでバスケの「指揮者(コンダクター)」のような役割です。

さらに、守備でも重要な役割を担います。相手チームのガードを止めるだけでなく、味方に声をかけて連携を取るなど、攻守両面で“頭”をフル回転させてプレーします。

体験談①:小学生の頃にポイントガードを任された理由

私が初めてポイントガードをやったのは、小学4年生の時でした。それまで特にポジションは決まっていなかったのですが、ある日、コーチから「君は周りがよく見えているね。ポイントガードをやってみないか?」と声をかけられたのです。

最初はとても緊張しました。試合中にどのプレーを選ぶかを自分で考えなければならず、失敗も多くありました。でも、仲間が「ナイスパス!」と声をかけてくれたり、コーチが「今の判断はよかったよ」と褒めてくれたりしたことで、少しずつ自信を持てるようになりました。

「仲間のために動く」ことの大切さを知ったのは、このときが初めてだったと思います。

 ポイントガードに向いているのはこんな子!

ポイントガードに向いている子は、次のような特徴があります

  • 周りをよく観察できる

  • 人の話をしっかり聞ける

  • どんなときも冷静でいられる

  • ミスしてもすぐに気持ちを切り替えられる

  • コツコツ練習を続けられる

私自身、身長も運動能力も特別高くありませんでしたが、「仲間の表情や動きにすぐ気づく」とよく言われていました。試合中、ミスをして落ち込んでいるチームメイトにタイミングよく声をかけたり、練習後には「今日のここが良かった」「この場面はこうすればもっと良くなるかも」といったことを、作戦ボードを使ってみんなで話し合う時間をつくっていました。

ときにはプレーの話だけでなく、学校生活のことも交えてコミュニケーションをとることで、仲間との信頼関係も深まりました。こうした日々の「気配り」や「声かけ」が、試合の中での連携にもつながり、ポイントガードとしての役割を果たす大きな支えになったと感じています。単に技術だけでなく、人との関わり方もプレーの質を高める大切な要素だと、私は今でも強く思っています。

背の高さや身体の強さよりも、「気づく力」「考える力」「仲間を思う心」が大切です。「チームをまとめたい」「仲間を助けたい」という気持ちがある子には、ポイントガードがピッタリです!

 上手くなるための練習メニューとコツ

私が毎日欠かさず取り組んでいたのは、「目を閉じてドリブルをし、コーチの声だけを頼りにパスを出す」という少し変わった練習でした。最初はボールを落とすことが多く、パスも思うように通りませんでしたが、続けるうちに耳で情報を聞き取り、周囲の気配を感じる力が少しずつ身についてきました。

この感覚は、試合中にパスコースを見つけたり、相手の動きを予測したりするうえで、大きな武器になりました。また、家ではプロの試合をテレビで観ながら、「なぜ今ここでそのパスなのか?」をノートに書き出し、自分なりに分析することを習慣にしていました。

プレーの選択には理由があることを学び、その思考を自分の判断に生かせるようになったことは、ポイントガードとしての成長に確実につながったと感じています。地道な積み重ねが、試合での一瞬のひらめきにつながるのだと、何度も実感しました。

ドリブルのスピードをコントロールする練習

ポイントガードはスピードだけでなく、ゆっくり→速くなどの“変化”をつけたドリブルが求められます。リズムを変える練習を繰り返しましょう。

周りを見ながらパスを出す練習

ドリブルしながら前だけでなく、左右の仲間を見る練習をすると、視野が広がります。最初は難しくても、慣れてくれば自然にできるようになります。

声を出す練習

「ナイスカット!」「スクリーン行くよ!」など、試合中に声を出すことはとても大切。練習から声を出すクセをつけましょう。

上手な人のプレーを見る

プロ選手や上手な先輩のプレーをよく観察し、「なぜこのタイミングでパスを出したんだろう?」「なぜこのドリブルをしたのかな?」と考えてみることが成長への近道です。気づいたことをノートに書いておくのもおすすめです。

 体験談②プロとして実感した“責任とやりがい”

私がプロになってからも、ポイントガードとして試合に出ていました。ある試合では、残り時間10秒、同点の場面。タイムアウトのあと、コーチの作戦は「仲間にシュートを打たせる」ものでしたが、相手の守備が想定以上に早く、作戦通りにいかないと判断。

私はとっさに作戦を変え、自分でドリブルからシュートに持ち込み、得点。チームを勝たせることができました。

そのとき、強く感じたのが「自分の判断で責任を持つ」ということ。仲間が信じて動いてくれるからこそ、勇気をもって決断できたのだと思います。ポイントガードは信頼がすべて。だからこそ、日々の練習や姿勢がとても大事なんです。

花巻東高校オフィシャルブログ: 第71回岩手県高等学校総合体育大会バスケットボール競技

【まとめ】ポイントガードは“心”でチームを動かす!

私がポイントガードを続けてきて一番良かったのは、「仲間から信頼される喜び」を感じられたことです。勝ったときも負けたときも、みんなで話し合い、支え合う。その中心にいるのがポイントガードだと、今でも思います。もしあなたが「みんなで勝ちたい」「チームをまとめたい」と思っているなら、ぜひポイントガードにチャレンジしてみてください。きっと新しい自分に出会えるはずです。

最初はうまくいかないこともあるかもしれません。でも、諦めずに努力を続ければ、少しずつ自信がついてきます。そしていつか、「君がいたから勝てた」と言ってもらえる日がくるでしょう。

バスケットの中で、仲間と一緒に勝利を目指し、心を通わせてプレーする楽しさ。その中心にいるのが、ポイントガードです。あなたにも、そのやりがいをぜひ味わってもらいたいと思います。

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