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小学生から始める!ステップバックで自分だけのシュートスペースを作ろう

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「目の前の相手が近くて、思うようにシュートが打てない…」そんな経験、小学生なら誰にでもあるはずです。

今回、紹介するステップバックは、自分の動きでディフェンスと距離を取り、シュートのチャンスをつかむ“秘密の引き技”です。このステップバックを習得すれば、どんなディフェンス相手でも「ここから勝負できる」と胸を張れるようになるでしょう。

この記事では、私自身の失敗や気づき、そして日本代表やミニバスの指導現場で実際に子どもたちが成長していったエピソード、ステップバックのコツや練習方法まで、ひとつひとつ丁寧に“自分の一歩”を届けていきたいと思います。ぜひ勇気の一歩を、ステップバックで踏み出してみてください。そこには、これまで知らなかった“バスケの楽しさ”がきっとあります!

バスケ・ミニバス写真館154 一眼レフで撮影したバスケットボール試合の写真 大きい相手と一対一 - たまの休日

なぜステップバックが大切なのか

バスケットボールの試合ではディフェンスがすぐ近くにいて、なかなか思い通りにシュートが打てないことが多いですよね。
そんなとき前に進むだけでなく「後ろに下がる」という逆の動きを使うことで、ディフェンスとの距離を一気に広げられるのがステップバックです。

  • シュートを打つためのスペースができる

  • ディフェンスの反応を遅らせることができる

  • 1対1で勝負できる自信がつく

この技術を覚えることで、みなさんのプレーに“リズム”と“余裕”が生まれ、まるで新しい道が開けたように感じられるはずです。

【体験談】小学生時代の私の発見

私が小学生のころ、背が低くてディフェンスにすぐ近づかれてしまい、なかなかシュートが打てず悩んでいました。
ある日、コーチが「前に進むだけでなく、後ろに下がってみよう」とアドバイスをくれました。
最初は「バスケはゴールに向かって攻めるもの」と思っていたので驚きましたが、思いきってドリブルから後ろに下がってみたところ、目の前にスペースが生まれ、初めて自分でシュートを決めることができました。

その瞬間、「自分の力で得点できた!」という喜びとともに、バスケットボールがもっともっと楽しくなりました。それからは、ステップバックを練習するたびに自信がついてきて、試合でも積極的にチャレンジできるようになりました。

9月9日 湯浅スポーツセンター

ステップバックの5ステップ

それでは、みなさんも一緒にステップバックの練習をしてみましょう。
小学生のみなさんにもわかりやすいように、5つのステップでご紹介します。

 ディフェンスを引きつける

まずはドリブルでゴールに向かって進み、ディフェンスをしっかり自分の方に引きつけます。
「前に行くぞ!」という気持ちで、相手をゴール側に押し込むイメージです。

急にストップして後ろに下がる

ディフェンスが近づいてきたら、急にスピードを落として、片足でしっかり踏ん張ります。
その足を使って斜め後ろに「ピョン」と下がりましょう。
このとき、体のバランスを崩さないように気をつけてください。

スペースを確認する

ステップバックでできたスペースをしっかり確認しましょう。
「今ならシュートが打てる!」と思ったら、すぐに次の動きへ進みます。

ジャンプシュートを打つ

ステップバックしたら、すぐにジャンプシュートを打ちます。
両足で着地してからシュートを打つ方法と、ワンツーステップで打つ方法がありますが、最初は両足で着地してシュートするのがやりやすいと思います。

着地とリカバリー

シュートを打った後は、しっかり着地して、すぐにディフェンスに戻れるようにしましょう。
バランスよく着地することで、ケガの予防にもなります。

ステップバックを上達させるためのコツとポイント

  • 体のバランスを大切にしましょう
    ステップバックは前に進む動きと後ろに下がる動きが組み合わさっています。
    足腰やお腹の力(体幹)を意識して、バランスよく動くことが大切です。

  • ディフェンスとの“かけひき”を楽しんでみてください
    前に行くふりをしてから急に下がることで、相手の反応を遅らせることができます。
    「どこで下がるか」を自分で考えてみましょう。

  • 最初は小さなステップでも大丈夫です
    大きく下がろうとするとバランスを崩しやすいので、最初は小さなステップバックから始めてみてください。

  • ルールを守って練習しましょう
    ステップバックはルールを守って行えばトラベリングにはなりませんが、ボールを持って3歩以上動かないように気をつけましょう。【中体連2023】バスケットボール:男子は城南、女子は常葉。決勝でもチームの強みを発揮! | ジュニアアスリート静岡

私のチームでの“ステップバックチャレンジ”

私がコーチをしているミニバスケットボールチームでは、みんなで「ステップバックチャレンジ」という練習をしています。

  1. まずはその場で後ろに下がる練習から始めます。

  2. 慣れてきたら、ドリブルからステップバックをしてみます。

  3. さらに、ディフェンス役をつけて1対1でチャレンジします。

最初は「難しい」と感じる子が多いですが、何度も練習を重ねるうちに、だんだんと自信がついてきます。試合で初めてステップバックシュートが決まった子は、とても嬉しそうな笑顔を見せてくれました。

「できた!」という喜びが、次のチャレンジにつながります。バスケットボールは、失敗しても大丈夫。チャレンジした分だけ、必ず成長できます。

ステップバックは“ひみつ道具”!

ステップバックは、NBAのスーパースターたちも使っている超重要スキルです。
でも、難しそうに見えるこの技、実は小学生でもコツをつかめばできるようになります。

  • ディフェンスが近くにいても自分でスペースを作れる

  • 相手が止まっている間に自分は動いてチャンスを生み出せる

  • プレ―にリズムと変化がつき、相手を惑わせることができる

つまり、「自分の力で得点できる選手」になれるのです!【ミニバス】男子優勝はBAD BOY’S、女子優勝は分水ブンバー

【教え子の体験談】「あと一歩が届かない…」悔し涙が、ステップバックで自信に変わった日

私がミニバスを指導している中で、とても印象に残っている子がいます。Kくんはスピードがあり運動神経も良いタイプ。ただし、相手ディフェンスに正面からぶつかるタイプのプレーが多く、「あと一歩でブロックされる」「抜いたのに止められる」という場面がたくさんありました。

ある試合後のこと、Kくんがベンチで悔し涙を流していました。「抜いたのに、止められちゃう。どうしてもシュートが届かない…」私はKくんに、そっとこんな言葉をかけました。「相手に近づきすぎると詰まっちゃうよね。でも、“下がる”って選択もあるよ。前じゃなくて、後ろにね」

最初は「下がったらゴールから遠ざかるのに?」と不思議そうな顔をしていました。でもそれからKくんは、ステップバックの練習を自分から始めるようになったのです。

 最初はバランスを崩してばかりだった

ステップバックの練習を始めた頃のKくんは、バランスを崩して倒れそうになることも多く、シュートも届かない日が続きました。ですが、彼は決して諦めませんでした。放課後の体育館、自主練が終わった後、彼は最後まで残ってステップバックのフォームを何度も確認していました。私が何も言わなくても、YouTubeでプロ選手の動きを真似してみたり、スローモーションで自分の動画をチェックしたり…。

そして、練習試合の日。彼がついに、試合の中でステップバックを成功させる瞬間が訪れました。

「一歩下がる勇気」が、ゴールをつかんだ瞬間

その試合、大きくて当たりも強いディフェンスがついていて、Kくんは何度も止められていました。でも、第3クォーターの残り30秒。Kくんはドリブルで相手を引きつけ、サッと一歩下がって、ふわりとシュートを放ちました。見事にネットを揺らし、会場は大きな拍手に包まれました。

その時のKくんの顔は喜びというより、「ホッとした」ような、でも少し自信を得たような、なんとも言えない表情でした。ベンチに戻ってきたとき、私が「今のプレー、すごく良かったね」と言うと、Kくんは少し照れたように、でもしっかりとこう言いました。「先生の言ってた“下がる勇気”、少しわかった気がします」情熱を注ぎ込む! – 榛原中学校

ステップバックは技術じゃなく「考える力」

この出来事は、私にとっても教え子にとっても大きな学びでした。ステップバックは、ただの技術ではありません。相手との距離を見て、自分のリズムを作って、考えて選ぶ“頭を使うプレー”です。

Kくんはこの経験を通して、「突っ込むだけじゃなく、考えてプレーする」楽しさを知りました。
それからはディフェンスとの駆け引きも上手になり、パスフェイクやジャブステップなどプレーの幅もどんどん広がっています。

この体験から伝えたいこと

多くの子どもたちは、「前に進むこと」ばかりを教えられて育ちます。でも、「あえて下がる」「一度スペースを作る」という考え方は、大人でも難しいもの。バスケットボールを通じて、Kくんが学んだのは、「無理に前に行かなくてもいい」「下がることで新しい道が見える」という“選択肢の広さ”でした。

これから成長していく中で、彼がどんな壁にぶつかっても、きっとあのときのステップバックのように、自分で道を切りひらいていけると私は信じています。

【練習のときに気をつけたいこと】

  • 最初はスローで動きを確認しましょう

  • 動画で自分のフォームを見ると上達が早いです

  • ステップバックばかり使わず、フェイクとして使うのも効果的です

ステップバックは、いつでも使える“ひみつ道具”。
いざというときに出せるように、たくさん練習しておきましょう。

【まとめ】一歩引いて、自分の道を切りひらこう!

ステップバックは、小さな体でも、大きな相手に勝てる「戦い方」です。
自分からスペースを作り、自分のリズムでシュートを打てる選手になること――それは、チームにとっても頼れる“得点源”になることです。

私自身、小学生のときにこの技を覚えたことで、「どうせ無理」から「自分にもできる!」という気持ちに変わりました。
そして今、指導している子どもたちにもこう伝えています。

「前に進むだけが攻めじゃない。ときには一歩引いて、自分のタイミングで勝負しよう」と。

第27回出雲北陵杯バスケットボール大会 開催!! | 学校法人水谷学園 出雲北陵中学・高等学校

【最後に】今からでも遅くない!今日から始めよう!

「難しそう…」「自分にはまだ早いかも」そう思っている人も大丈夫!
誰でも最初はうまくできません。大切なのは、“あきらめずにチャレンジすること”です。

バスケットボールは、工夫して考えて、自分の形を作っていくスポーツ。
ステップバックは、君の可能性を大きく広げてくれる“最初の武器”になるかもしれません。

今日の練習から、さっそく一歩後ろに下がってみましょう!
自分だけのステップバックで、コートを自由に駆け抜けてください!

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