「目の前の相手が近くて、思うようにシュートが打てない…」そんな経験、小学生なら誰にでもあるはずです。
今回ご紹介するステップバックは、自分自身の動きでディフェンスと距離を作り、シュートチャンスをつかみ取る“自分だけの秘密技”です。ステップバックが身につけば、どんな守備相手でも「この位置から勝負できる」と自信を持ってプレーできるようになります。
この記事では、私自身が失敗を乗り越えた経験や気づき、日本代表時代やミニバスの指導場面で子どもたちがステップバックを習得して成長したエピソード、さらにコツや練習方法までを、丁寧にひとつひとつ解説していきます。
ぜひ、勇気を出してステップバックの一歩を踏み出してみてください。そこには、これまで気づかなかったバスケットボールの新たな楽しさがきっと待っています!

なぜステップバックが大切なのか
バスケットボールの試合では、ディフェンスがすぐそばにいて思い通りにシュートできない場面がよくあります。そんなとき、「前に進む」だけでなく、あえて「後ろへ下がる」逆の動きを使うのがステップバックです。この動きを使うことで、ディフェンスとの間に一気にスペースができ、シュートを打つ余裕が生まれます。
さらにステップバックを使うことで、守る相手の反応を遅らせることもでき、1対1の場面で自信を持って勝負できるようになります。この技術を身につけることで、みなさんのプレーに新しいリズムと余裕が生まれ、まるで新しい道が広がったような感覚を味わえるはずです。
【体験談】小学生時代の私の発見
私が小学生の頃は、背が低かったせいでディフェンスにすぐ距離を詰められてしまい、なかなか思い通りにシュートできずに悩んでいました。そんなある日、コーチから「前に突き進むだけじゃなく、時には後ろへ下がってみるのも大事だよ」と教えられました。
バスケットボールはゴールに向かって攻めるものだと思い込んでいたので、そのアドバイスには少し驚きました。しかし、思い切ってドリブルから後ろに下がってみると、目の前に広いスペースができ、初めて自分のタイミングでシュートを打ち、得点することができたのです。
その瞬間、「自分の力で得点できた!」という達成感とともに、バスケットボールがもっと楽しく感じるようになりました。それからはステップバックの練習にも前向きに取り組めるようになり、試合でも自信を持って積極的にチャレンジできるようになりました。
ステップバックの5ステップ
それでは、みなさんも一緒にステップバックの練習をしてみましょう。小学生のみなさんにもわかりやすいように、5つのステップでご紹介します。
- ディフェンスを引きつける
まずはドリブルでゴールに向かって進み、ディフェンスをしっかり自分の方に引きつけます。
「前に行くぞ!」という気持ちで、相手をゴール側に押し込むイメージです。
- 急にストップして後ろに下がる
ディフェンスが近づいてきたら、急にスピードを落として、片足でしっかり踏ん張ります。
その足を使って斜め後ろに「ピョン」と下がりましょう。このとき、体のバランスを崩さないように気をつけてください。
- スペースを確認する
ステップバックでできたスペースをしっかり確認しましょう。「今ならシュートが打てる!」と思ったら、すぐに次の動きへ進みます。
- ジャンプシュートを打つ
ステップバックしたら、すぐにジャンプシュートを打ちます。両足で着地してからシュートを打つ方法と、ワンツーステップで打つ方法がありますが、最初は両足で着地してシュートするのがやりやすいと思います。
- 着地とリカバリー
シュートを打った後は、しっかり着地して、すぐにディフェンスに戻れるようにしましょう。バランスよく着地することで、ケガの予防にもなります。
ステップバックを上達させるためのコツとポイント
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体のバランスを大切にしましょう
ステップバックは前に進む動きと後ろに下がる動きが組み合わさっています。足腰やお腹の力(体幹)を意識して、バランスよく動くことが大切です。 -
ディフェンスとの“かけひき”を楽しんでみてください
前に行くふりをしてから急に下がることで、相手の反応を遅らせることができます。「どこで下がるか」を自分で考えてみましょう。 -
最初は小さなステップでも大丈夫です
大きく下がろうとするとバランスを崩しやすいので、最初は小さなステップバックから始めてみてください。 -
ルールを守って練習しましょう
ステップバックはルールを守って行えばトラベリングにはなりませんが、ボールを持って3歩以上動かないように気をつけましょう。
私のチームでの“ステップバックチャレンジ”
私がコーチをしているミニバスケットボールチームでは、みんなで「ステップバックチャレンジ」という練習をしています。
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まずはその場で後ろに下がる練習から始めます。
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慣れてきたら、ドリブルからステップバックをしてみます。
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さらに、ディフェンス役をつけて1対1でチャレンジします。
最初は「難しい」と感じる子が多いですが、何度も練習を重ねるうちに、だんだんと自信がついてきます。試合で初めてステップバックシュートが決まった子は、とても嬉しそうな笑顔を見せてくれました。「できた!」という喜びが、次のチャレンジにつながります。バスケットボールは、失敗しても大丈夫。チャレンジした分だけ、必ず成長できます。
ステップバックは“ひみつ道具”!
ステップバックは、NBAのスーパースターたちも使っている超重要スキルです。でも、難しそうに見えるこの技、実は小学生でもコツをつかめばできるようになります。
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ディフェンスが近くにいても自分でスペースを作れる
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相手が止まっている間に自分は動いてチャンスを生み出せる
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プレ―にリズムと変化がつき、相手を惑わせることができる
つまり、「自分の力で得点できる選手」になれるのです!
【練習のときに気をつけたいこと】
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最初はスローで動きを確認しましょう
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動画で自分のフォームを見ると上達が早いです
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ステップバックばかり使わず、フェイクとして使うのも効果的です
ステップバックは、いつでも使える“ひみつ道具”。いざというときに出せるように、たくさん練習しておきましょう。
【まとめ】一歩引いて、自分の道を切りひらこう!
ステップバックは、体の小さな選手でも大きな相手に対抗できる強力な「戦い方」です。自らスペースを作り出し、自分のリズムでシュートを狙える選手になることは、チームにとって頼りになる得点源になるということでもあります。
私自身、小学生の頃にこの技術を身につけたことで、「どうせ無理」と諦めていた気持ちが「自分にもできる!」と自信に変わりました。今は指導者として、子どもたちにこう伝えています。「前に進むだけが攻め方じゃない。時には一歩引いて、自分のタイミングで勝負することが大切だよ」と。

【最後に】今からでも遅くない!今日から始めよう!
「難しそう…」「自分にはまだ早いかも」そう思っている人も大丈夫!誰でも最初はうまくできません。大切なのは、“あきらめずにチャレンジすること”です。バスケットボールは、工夫して考えて、自分の形を作っていくスポーツ。ステップバックは、君の可能性を大きく広げてくれる“最初の武器”になるかもしれません。
今日の練習から、さっそく一歩後ろに下がってみましょう!自分だけのステップバックで、コートを自由に駆け抜けてください!


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